その日わたしは障害者になりました sikiの伝記#3

これは、私が犬に命を救ってもらった時の話であり

私が障害者になった日でもあります。

たしか、GWの最初か3日目?そのあたりだったと思う

狂ってるんじゃないか?と思うほど吠え続けた犬

いろいろなことがある中。

実はもう1件だけ、ある出来事を引き起こす家があったんです。

私が担当している地区の中に、住宅街があるんです。

そこは、田んぼの田の字といいますか。

ようは、正方形の区画にたくさんの家が田みたいな感じで並んでいる場所があるんです。

そこの隅っこに○○さんの家がありました。

そこ宛の手紙はよくあるので、私はそこへよく届けにいってたんですが

そこにはめちゃくちゃ吠える犬がいました。

犬はもともと吠えるじゃん!っていうのはわかってるんですが

その犬は、特にめちゃくちゃ吠えるんです。

私を見ると、すぐに異常なまでに吠え出します。

吠え止むなんてありえません。

家の柵が続く限り、ひたすら私を追い回し、左にジャンプし、右にジャンプし

ぐるっと回り、飛び回り、ひたすら柵の中で吠え続けるんです。

その住宅街に私の原付音が響き渡った瞬間から、ずっと犬は吠えるようになりました。

近くの家に届ける時も、近づくときもずっとずっと、柵から吠え続けるんです。

私は、あまりのひどさに、一生仲良くできないな・・・ここ・・・と思いました。

ただ、この犬が私の命を救ってくれたんです。

1カ月ぐらいしたら、犬がなついてくれました

1カ月ぐらいずっと、届けてたら、次第に犬が鳴くのを辞めました。

逆に、ずっとクンクンを甘えた声を出しながら、ずっと柵が続く限り、私を見守ってくれるようになったんです。

その家に手紙を届けるのが嫌だったのが、大好きになりました。

私は笑って、その犬をみながら、手紙を届けるようになったんです。

事務所で体が動きませんでした

片道1時間の原付通学をする、ハードスケジュールな専門学校に通いながら

休みなしでバイトをしていたある日。

事務所で、今日届ける、手紙をポンポンと床で並び変えていました。

ある程度仕分けが終わり、いくか・・・と思った時

体に力が入らなかったんです。

私は事務所で力が入らず、床で座り込みうごけませんでした。

ただ、仕事だからやらないと、と思い、少し休んで、机に寄り掛かるようにして立ち上がり、バイクに乗りました。

疲れてるんだと思い、近くのスーパーで、ビタミンウォーターを買ってからの配達。

その日は、でっかいリュック、中学の時部活で使ってたエナメルバック、バイクの下に大量の手紙をいれての運転でした。

たまに、めちゃくちゃ量が多いときは、バイクの足元にエナメルバッグを置き、リュックを背負い、こけたら、一発で死ぬような重量バランスで

手紙を配達していたんです。

そして、配達する手紙の中に、1カ月に2回?1回?忘れたんですが、地獄のパンフレットがありました。

町中の人が取り寄せるんですけど、それが、でかい教科書サイズ・・・

それを50通ぐらい+いろんな手紙をもって配達にいくのは、私にとって地獄だったんですが、今日がその日。

犬が私の命を救ってくれました

その時のルートで、初めて手紙を届けるのが、その犬の家。

私は息がはぁ・・・はぁ・・・となりながら、力の入らない体で震えるようにバイクに乗り配達を始めました。

その家に着いた時

体が動かなくなりました。

急に苦しくなり、動けず、必死にバイクの椅子の部分に両手をつき、倒れないように体を支え、立つので必死でした。

声も出せず、ただ、倒れないように体を支えていた時。

あることがおこったんです。

もう吠えなくなった犬が、吠えだしたんです。

しかも、明らかに今までで、聞いたことがないほど大きな声で。

犬が庭に向かって凄いスピードで全力疾走していきました。

次の瞬間。あることが起こったんです・・・

ドンッ!ワンワンワン!ドンッ!ワンワンワン!

私はこの声を聞いてすぐにわかりました。

「犬が窓に体当たりしながら、大声で助けを求めてたんです」

思いっきりジャンプし、横腹を窓に叩きつけては吠え、叫びを繰り返し

うそだろ・・・と私は思いました。

次の瞬間・・・

玄関から家族の人が出てきたんです。

家族が私を見るとすぐに駆け寄り、大丈夫!と声をかけてくれました。

私は、動けず倒れ、住宅街の中で、横たわりました。

家族の人達は、すぐに脈拍を測る機械をもってきたり、救急車を呼んだりしてくれました。

ベルトを緩め、私が誰だか分らなかった家族の人に、財布の場所をなんとか指差し、見てもらい

私は救急車で運ばれたんです。

私は死ぬかと思った

救急車の中で横たわると、心電図が出てきました。

覚えてるのは数値の1つが70を下回ったこと。

私はなんとなくこれが、血圧なんだと思いました。

あぁ、俺死ぬのかな?

すでに体に力なんて入りません。

ぼんやりした中、完全に脱力して、ぼんやりしてる命で、過去のことが思い浮かんでいたのを覚えています。

きづいたら、病院でした。

ドラマとかで、よく、イチッ!ニノッ!サンッ!って救急車のベッドを別のやつに変えるシーンあるじゃないですか。

あれって本当にあるんだってその時、始めて知りました。

そのあと、手術の集中治療室見たいな部屋に運ばれました。

上には、丸いライトが何個もついてるでっかい丸いライトがあって・・・

あ・・・俺今からおなか開かれるの???と思っていました。

で、何が原因でどうなってるの???という状況にお医者さん達はなったわけです。

それで、とりあえず採血しようということになりました。

ただ、そこで事件は起こったんです。

採血用の注射の針を腕に刺し、血を抜くために引っ張る注射の棒の部分を

女の人が引っ張った瞬間。

私の心臓は、ボコッという小さな音を立てて、胸が苦しくなったんです。

採血できないんです。

すでに衰弱して、血が回ってなかった私の血管は

注射器の棒を引っ張った瞬間。圧力で、心臓がボコッとへこみ、血が採血できない状況でした。

それを横目で、心臓イタッと思ってみていた私は・・・

あっ・・・死ぬんだ・・・って思いました。

女の人は、ぞうきんを縦に絞るように、私の腕をぎゅーーーーーーっ!ぎゅーーーーっ!って絞るように指先まで絞り始めました。

指先からなんとか、残った血を採血しようとしてたんです。

この人何してるの?と腕から指先まで必死に私の腕をぞうきんみたいに絞ってるところを見て、納得がいきました。

なんとか、採決ができた結果・・・

異常なし・・・

私は障害者になりました。

犬さんありがとう

犬さんありがとう

痛かったのはわかります。

ジャンプして、必死に横腹を叩きつけながら吠えて、助けを求めてくれた時

あの子は、自分の痛みも気にも留めなかったんでしょう。

本当にありがとう。

最初はたくさん吠えてたのに、慣れてからは、ずっと俺のことを待っててくれて、毎日お見送りしてくれてたね。

吠えなくなった君が、あの時、今までに聞いたこともないような声で吠えたときはびっくりしたよ。

本当に、本当にありがとう。

家族の人も、駆け付けてくれた近所の人達もありがとう。

 

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